チェルノブイリ原発事故の被害を受けたベラルーシと福島を比較!
2011年の東日本大震災により事故を起こした福島第一原子力発電所、これと同じように過去にもチェルノブイリ原子力発電所で事故が起きている。今回はそんな福島第一原子力発電所の事故とチェルノブイリ原子力発電所の事故について比較していく。
チェルノブイリはウクライナの首都キエフから北に100km程行ったところにあり、ベラルーシの国境から16kmという位置だ。1986年4月26日に起きたチェルノブイリ原子力発電所事故当時は、風が南から北に吹いていたので、ベラルーシが被害を最も受けたのだ。
ベラルーシの原発事故による被害、福島の事故と比較することで見えてくるものがあるかもしれない。ベラルーシへ行って、福島について考えることがあったのでここに記していきたい。
チェルノブイリ原子力発電所事故が起きた原因
1986年4月26日に起きたチェルノブイリの原子力発電所事故、当時ウクライナはソビエト連邦の支配下にありウクライナ・ソビエト社会主義共和国という名前だった。
当時のソ連はエネルギー創出のために原子力発電所を稼働していたというよりも、原子力発電所を稼働することで得られる核爆弾の材料の方に興味があったのだ。なので、安全管理はずさんで効率を求め原子力発電所を稼働していた。ここが福島の原子力発電所と違う点である。
原発事故に繋がった原因は、安全点検のストレステスト中に責任者が不適切な判断をしたことによる。責任者のミスだけではなくて、制御棒に根本的な設計ミスがあったことも原因の一つだろう。
事故を起こしたチェルノブイリ原子力発電所4号炉では水蒸気爆発が起きた。これは水分が一気に蒸発してしまうと起きてしまう爆発だ。福島第一原子力発電所では水蒸気爆発ではなくて、水素爆発が起きた。
水蒸気爆発と水素爆発、前者の方が圧倒的に規模が大きい爆発であはるが、水素爆発でも原子力発電所の建屋を吹き飛ばしてしまう力を持っている。この建屋が吹き飛んだ福島の映像を見た海外のメディアは、水蒸気爆発が起きたと誤報してしまうのだ。

チェルノブイリ原子力発電所の写真

事故後、現場はコンクリートで覆われている
チェルノブイリ原子力発電所事故によるベラルーシの被害
チェルノブイリ原子力発電所4号炉で水蒸気爆発が起きてから、世界中に放射性物質が漏れ出した。しかし、当時のソビエト連邦は秘密主義を貫いていたために一切の情報を開示しなかった。
その証拠に、初めてこのチェルノブイリ原発事故に気づいた国はスウェーデンなのだ。事故当時、風は南から北に吹いていて放射性物質を感知したスウェーデンの原子力発電所が、チェルノブイリでの事故に気づいたのだ。
放射性物質はそのまま風に乗り8,000キロ離れた日本でも検知された。空気、水、大地を汚染し、その地域で暮らす生物内に放射性物質が蓄積されていった。それを食べた人間の体内に放射性物質が蓄積されていくという悪循環に陥った。
最初はチェルノブイリ原子力発電所から避難範囲を3kmとしていたが、徐々に広範囲へと広がっていく。爆発の消火を担当した消防士たちは放射能によりバタバタと倒れていった。
過去に原子力発電所の事故を経験してこなかった人類は、知識と経験がなかったので対処法を知らなかったのだ。そんな事故が起きた中でも、爆発が起きなかった1〜3号炉は稼働し続けた。いかに当時のソ連が軍事力を強化したかったかがわかるだろう。
ソ連が発表した死者数は、原子力発電所で働いていた人と消防士を合わせて33名、放射線被曝による死者数は数百万とも言われている。
特に最も影響を受けたベラルーシの被害がひどい。事故によって受けた損害は、事故前の国家財政の32年分と言われている。ベラルーシの子供の70%近くが事故により、染色体の異常やIQの低下が顕著に表れている。事故により国土の3分の2が汚染され、現在でも3分の1が住めない地域となった。
最後にベラルーシの人口推移を見て欲しい。チェルノブイリ原子力発電所事故が起きた1986年から人口の10%近くが減少している。全ての原因ががチェルノブイリとは言い難いが、事故をきっかけに人口減少が続いているのは事実だ。
現在でもベラルーシでは先天的な奇形が生まれたり、癌の発生率が高かったり、精神病疾患が増加している。
福島の原子力発電所の事故は今現在死者はあまり出ていない。しかし、放射性物質による影響は時間が空いてから見えてくる。死者の数から安心していてはダメなのだ。
ちなみに、チェルノブイリでは原子炉自体が爆発したのに対して、福島は原子炉自体が爆発したわけではないのでましだ言われている。汚染具合もチェルノブイリに比べて福島はましではあるが、「チェルノブイリと比べて」というだけで、極めて甚大な事故であることには変わらない。

人口推移、緩やかにではあるが事故後から減少傾向

5 歳未満児の死亡率、事故後に一時的に上がってるのがわかるね
ベラルーシの首都ミンスクにあった広島・長崎・福島の砂と土
ベラルーシの首都ミンスクにある聖シモン・聖エレーナ教会。ここには日本からの献金でできた長崎の鐘や、広島・長崎・福島の砂と土が埋められている。原発事故という同じ共通点がある国として、お互いこれからも学んでいかなくてはならない。
最後にその記念碑の写真をお届けして終わりにしよう。今後同じような事故を起こさないためにも、自然災害、テロ、担当者の判断ミスなど様々なシチュエーションを考え対策を講じなくてはならない。また、並行して代替エネルギーの研究も進める必要がある。

街の真ん中にある教会に日本と繋がりのあるものが。

日の丸発見!

長崎の鐘!

広島、長崎、福島とチェルノブイリ。核と原発という難しい問題でつながっているのね。
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