アルバニアがとんでもない!「鎖国・無神国家・ネズミ講で国家破綻」
1990年代まで鎖国、鎖国中に世界初の無神国家を宣言、国民の半数がネズミ講にひっかかり国家破綻、この分けのわからない歴史の持ち主はアルバニアだ!
こんなぶっ飛んだ歴史を聞いたことがあるだろうか。それにしても国民の半数がネズミ講に引っかかって国家破綻っていったい…。
今回は、このとんでもないアルバニアの歴史「鎖国・無神国家・ネズミ講で国家破綻」の3つを解説します。
また、実際にアルバニアの首都ティラナに行ってきたので、歴史の面影が残る部分や観光名所も合わせて紹介していきます。聞きられない国名ですがかなり治安は良いので、普通に観光に行ける国なのです。
1990年代まで鎖国をしていたアルバニア!
鎖国といえば1600年代の江戸時代に、キリスト教が日本に入らないように行われた政策だ。鎖国とは外国との国交を断絶した状態を指すが、日本の鎖国は中国とオランダ以外の国交を断絶した。
日本と違い全ての国と国交を断絶したのがアルバニアだ。しかも日本が鎖国したのは1600年代だが、アルバニアは1978年〜1990年代までのつい最近まで鎖国をしていたのだ。
全ての国と国交を断絶したため、アルバニア国内の情報が外に出ることはなく、世界中から謎の国として注目されていた。このアルバニアが鎖国を導入した経緯がこれまた面白い。
これは全てアルバニアの独裁者エンベル・ホッジャの行動が鎖国を招くことになる。それでは世界中から嫌われ、鎖国した経緯を解説していこう。
ユーゴスラビアと国交断絶!
アルバニアの独裁者エンベル・ホッジャは、スターリンが大好きでソ連を賛賞していた。しかし、隣国であるユーゴスラビアがソ連とは違う道を目指したため、ホッジャはブチ切れてユーゴスラビアと国交を断絶した。
ソ連と国交断絶!
ホッジャはソ連のスターリンが大好きだ。しかし、スターリンの後継者であるフルシチョフがスターリンを批判したため、ホッジャはブチ切れてソ連と国交を断絶した。
中国と国交断絶!
次にホッジャは、同じ共産主義である中国に接近する。中国も同じく、スターリン批判をしたフルシチョフが気に入らなかったからだ。しかし、当時の米統領のニクソンが中国を訪問し、中米の仲が良くなりかけてるのを見て、ホッジャはブチ切れて中国と国交を断絶した。
世界初の無神国家を宣言したアルバニア!
これまた、とんでもないアルバニアの歴史である。鎖国中にアルバニア国内における、宗教を全て禁止したのだ。無神国家=その名の通り神の否定である。過去にアルバニアはオスマン帝国に征服されたので、イスラム教徒が多かったが、これを力でねじ伏せ無神国家宣言をしたのだ。
ソ連と国交を断絶して中国に接近している頃に、中国で文化大革命が起きた。この革命とは共産原理主義に近いもので、資本家を排除し宗教を否定するなど、完全なる共産主義に近づくための運動である。
これに触発されたホッジャが、無神国家を宣言したのだ。今まで神を信じでいた人たちに対して、いきなりニーチェの「神は死んだ」という名言を叩きつけるようなものだ。
無神国家を宣言した直後の、アルバニア国内の情報は鎖国していたため一切入って来ない。アルバニアの謎は深まるばかりである。
ネズミ講にひっかかり国家破綻したアルバニア!
これほどマヌケな話は聞いたことがない、失礼だが初めて聞いたときに笑ってしまった。しかし、国民の半数がねずみ講に引っかかるまでの経緯を知ると笑ってもいられなくなる。このネズミ講による国家破綻は鎖国後に起こったことである。それでは解説してこう。
1992年の選挙で共産党から民主党へ政権が移る。鎖国していたアルバニアが民主化され、ついに鎖国を解除したのだ。これが1990年代に起こった出来事なんて考えられない。
鎖国が解除されると、外国から色々な物が入ってくる。アルバニアは今までなかった、ピザやバナナを見て国民は驚いたという。
さて、ここからが本題のネズミ講の話だ。今まで鎖国だったため、アルバニア国民は金融に関する知識が一切ない。ここに目をつけたネズミ講の会社が、アルバニア国民をネズミ講へと誘致したのだ。ついに国民の半数までもがネズミ講に加入するようになる。
しかし、ネズミ講の仕組みを分かっていれば破綻するのは目に見えている。ネズミ講は紹介で成り立っているビジネスなので、新規参入者がいなくなった時点で破綻するのだ。ネズミ講破綻により国民の半数は財産を失い、国家自体も破綻することになってしまったのだ。
実際にアルバニアの首都ティラナを訪れてみて
鎖国を解除してまだ数十年しか経っていないアルバニアに行ってきました。このような、とんでもない歴史を知っていたので、アルバニアに行く前は不安で仕方がなかったのですが、行ってみるとそうでもありません。
民主化の波はすごいもので、鎖国解除にピザやバナナに驚いていた国民は、今ではパスタやコーラなど当然のように海外の文化に触れています。数十年でここまで変わるのかと、驚かされるほどでした。
それに、民主化後は観光客誘致のために様々な施策をしている。街並みをお洒落にペイントしたり、道沿いにカフェを並べたり、ホテルを増やしたり。観光客の誘致ができるのも、アルバニアの治安はそこまで悪くないからだろう。
それでも、バス停がなかったり、モスクの数が少なかったり(民主化後に無神国家を撤廃したため)、防空壕が至る所にあったりと、過去の面影は街を歩いていると実感することができる。
トーチカと呼ばれる丸型の鉄筋コンクリートで出来た防御陣地も至る所に置いてある。このトーチカは防御陣地として使われたり、核シェルターを想定して作られたらしい。機関銃や大砲などを中に設置して、砲撃するための穴が空いているのがトーチカの特徴だ。
時間が経てば経つ程、鎖国時代の面影が薄れていくのは間違いないので、アルバニアに興味があればためらわずに早めに行って欲しい。
また、アルバニアをもっと知りたくなったあなたには、下記の本が超絶オススメ!アルバニアの本が少ない中で、このアルバニアインターナショナルのおかげで、一部にアルバニアマニアができたほど。
今回紹介した「鎖国・無神国家・ネズミ講で国家破綻」以外の、とんでもない過去が盛り沢山ですよ。例えば、マザー・テレサはマケドニアで生まれたアルバニア人って知ってました!?などなど。
最後に写真と一緒に過去の面影を感じられる観光名所を覗いてみましょう!
世界には他にも変わった国がたくさんある。その中でもアルバニアほどではないが、ヨーロッパの変わった国で有名なベラルーシを下記で紹介している。
ベラルーシがとんでもない!「ソ連大好き・独裁国家・死刑制度あり」
バルカン半島&ユーゴスラビアを旅行するならこれを読め!全11カ国まとめ
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