鳥葬を行うゾロアスター教(拝火教)とは!?
鳥葬という言葉を聞いたことがあるだろうか?鳥葬とは、服を剥いだ遺体を荒池へ運び、鳥に食べてもらう葬儀のことを言う。この鳥葬は元々はゾロアスター教が行っていて、チベット仏教に伝わった。
このゾロアスター教の本拠地であるイランのヤズドへ行ってきたので、ゾロアスター教ってなに?鳥葬って具体的になにするの?といった点について解説していきます。
ゾロアスター教(拝火教)とは
拝火教はその名の通り火を崇拝している
前述したがゾロアスター教はイランのヤズドという土地が本拠地だ。ゾロアスター教の日本語読みは拝火教(はいかきょう)。その名の通りこの宗教は火を崇拝している。
火が存在しなければ夜に暖炉を取ることができないし、食事の調理や武器の作製などもできない。こういった点から火は必要不可欠と考えていた。よって火を聖なるものと崇拝し、他にも自然である空気・大地・水をも崇拝の対象にした。
下記の写真はゾロアスター教寺院(アーテシュキャデ)だ。内部には1,500年以上も燃え続けている火がある。

ゾロアスター教寺院(アーテシュキャデ)の正面から

1,500年以上燃え続けている火
ゾロアスター教は善と悪の二元論だが、善の勝利が決まっている
ゾロアスター教の考え方は善と悪の二元論である。良い行いをすると「善の力」が溜まり、悪い行いをすると「悪の力」が溜まる。そして最後の審判の日に、この善の力と悪の力が戦うことになるのだが、なんとこれが善の力が勝利することが決まっている。そして完全なる幸福な世界が永続するとされている。なんとも楽観的な終末論であろうか。
ちなみに、善の神はアフラ=マズダー、悪の神はアングラ=マイニュと呼ばれている。ゾロアスター教の寺院にいくと善の神であるアフラ=マズダーが飾られている。

善の神であるアフラ=マズダー
鳥葬とは鳥に遺体を食べてもらう儀式
なぜゾロアスター教が鳥葬を行っているのかというと、自然に対してできるだけ害なく埋葬する方法を模索して鳥葬に行き着いたからだ。自然に害を与えないだけでなく、鳥たちの餌にもなる。
食物連鎖や動的平衡で人間は自然に還り、新たな生物を構成する体の一部になると良く言われるが、この鳥葬こそがそれを如実に体現している。
世界一周すると動的平衡を感じることができる
そしてこの鳥葬の舞台となるのがイランのヤズドにある「沈黙の塔」だ。人間を食べやすくするように遺体を解体し断片をこの沈黙の塔に並べる。
イランでは現在、この鳥葬は衛生の面で禁止されている。過去に鳥たちが持ち運んだ遺体が、街中にばら撒かれたとのこと。もちろん日本でも鳥葬は禁止だ。

これがヤズドにある沈黙の塔

先人はこの穴に遺体を置いていた
他にもイランに関する記事を書いているにで、合わせてぜひ読んでみてほしい。
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