【イニシエーション・ラブ – 乾くるみ】最後から二行目に隠される衝撃の真実
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2004年4月1日発行にも関わらず、最近どこの書店に行っても「イニシエーション・ラブ」をよく目にする。何故、10年昔の本が今年になって発行部数100万部を達成したのか。それは、2014年3月に放送された「しゃべくり007」にてくりぃむしちゅーの有田が「最高傑作のミステリー」と視聴者に向けてお勧めたのが要因だ。
週刊文春 東西ミステリーベスト100って!?
正直、有田がどこまでミステリー小説に詳しいの定かではないしマスメディアの影響を受けるのは嫌だった。ぼくが「イニシエーション・ラブ」を手に取った理由は一点。2013年版の「週刊文春 東西ミステリーベスト100 」にランクインしていたからである。「週刊文春 東西ミステリー ベスト100 」は、下記に準ずる適任者によってベスト100が決められるので有田よりも信頼度は高い。国内ミステリー74位を獲得しているのだ。
- 日本推理作家協会
- 日本冒険小説会
- 各大学のミステリ同好会
- SRの会
- 怪の会
- 各界のミステリ通
ちなみに私はこの東西ミステリーベスト100を全て読んでやろうと企んでいる。その模様はこちら。
東西ミステリーベスト100制覇への道
恋愛系叙述トリックの決定版!
世の中には国内・海外合わせて優れた叙述トリックを用いた小説は山ほど存在する。ただし、どれも叙述トリックが使われた作品は殺人事件を題材にした推理小説がメインだ、人が殺され犯人を当てられないように作者が読者を騙しにかかるために叙述トリックを用いるのだ。
恋愛小説+叙述トリック は思いのほか斬新だった。最後から二行目を読むまでは単なる恋愛小説であり、ミステリー性は皆無であるが、叙述トリックが氷解した瞬間にこの小説はミステリー小説に変貌するのだ。
そもそも叙述トリックって何だっけ?
叙述トリックとは、作者が読者を騙すために仕掛けた誤認を導くトリック。読者の先入観やバイアスを巧みに操り、異なる解釈でもう一つの物語を作り出すトリックなのだ。これ以上詳しく、このトリックの説明をしてしまうとネタバレになりかねない。本書は叙述トリックの決定版と呼称するべき作品なので、読了して自ら体感するのが一番良い。
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