【Another – 綾辻行人】怪談系学園ホラーの傑作・表紙のおにゃの子が大活躍!
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新本格世代を築き上げた綾辻行人。売れに売れまくってアニメや映画化までされている「Another」はミステリー要素も含まれているが、ジャンルからすると学園物のホラー小説だ。あまりホラーを読まないぼくは敬遠していた。しかし、ふと本屋でふと本書を手に取ってみるとビビッとくるものがあった。
表紙のおにゃの子が可愛い…。
それだけの理由で購入してみたのだが面白いこと面白いこと。700ページ近くある長編だが二晩で読み終えてしまった。
あらすじ・呪われた3年3組
昔からは3年3組は呪われていた。この教室の中に〈死者〉が紛れ込んでいる。毎月〈死者〉によって誰かが殺される。
学校というクローズドサークルの中で呪いを解こうとする主人公と表紙のおにゃの子の奔走物語。「学校の七不思議」「学校の怪談」などの古いオカルト・タタリの要素をふんだんに取り入れた物語だ。
「呪い」はリスクの偏りか
本書の魅力は「呪い」を「呪い」のまま受け入れているという観点。呪いという事象は決して解明できるものではなく、これはこういうものだから仕方がないと半ば諦めてしまっている雰囲気すらある。
解明できないのだから呪いは、単なるリスクの偏りかもしれない、たまたまこういった事象が連続した可能性だってあるのだ。「呪い」に因果関係はなく、全てが先後関係で進められているので惹かれた。
まとめ
「Another」は話の展開が劇的に進む作品ではないが、何故かページを捲る手が止まらなくなる。これは至るところに伏線が張り巡らされていて、読者にとってそれは伏線だと分かるように著者は提示しているからだ。しかし、この伏線が何を意味しているのかは読者自身が導かねばならない。ページを捲れば捲る程、答えが徐々に露呈してくる。
さて君も表紙のおにゃの子の虜になって、この懐古的な世界感を味わってみよう。
ちなみに本作には続編が出ている。またまた表紙のおにゃの子が可愛い「Anorher エピソードS」。「Another」の事件解決前の夏休みを描いた作品なので、Anotherを読む終えた方はどうぞ。
【Another エピソード S – 綾辻行人】表紙のおにゃの子が再び奔走!
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