世界一周後の自分から世界一周前の自分へ伝えたいこと
2014年の10月12日に日本を出て、2015年の11月28日に世界一周を終えて無事に帰国しました。トラブルや事故に巻き込まれず、健康に帰国できたのも読者や支えてくれた皆さんのおかげです。ありがとうございました。
413日にも及ぶ世界一周が自分に何をもたらしたのか、子供の頃からの夢だった世界一周が自分に与えた影響など、帰国した心境を踏まえて本記事に書いていきます。
これから世界一周や長期海外旅行を検討している人は、間違いなく本記事で書いた以上のことが起きる。言語化する前の段階で、様々なものが自分に蓄積されて、帰国した時に今までの日本とは思えないような違和感さえ持つようになるのだ。
実は、世界一周出発当日に「世界一周前の自分から世界一周後の自分へ伝えたいこと」というタイトルで記事を書いている。出来れば本記事を読む前に、出発当日の記事を読んで頂きたい。
1年前の自分と今の自分では何が変わっているのかが、読んでみると浮き彫りになってくると思う。読み返してみると、やはりあの頃の自分とは思うところが違うなというのが何点かあった。それだけでも、この1年間で成長した証だろう。
それでは、「世界一周後の自分から世界一周前の自分へ伝えたいこと」の本編を書いていこう。かなり長いので、はてぶやPocketに入れて、時間がある時に読むことをお勧めする。
世界一周前の自分から世界一周後の自分へ伝えたいこと
1年間の世界一周で周った国と予算
世界一周へ行く前は、世界一周をどうやって周るのかルートは全く決めていなかった。最初のフィリピンで英語の留学を1か月間して、次の国タイで予防注射を打つ、この2か国以外の予定は全くなかった。
自分の生まれた母国イギリス、宗教の聖地エルサレム、第二次世界大戦で起きたホロコーストのアウシュビッツ、この3つは絶対に行きたいなと考えていたが、日本を出ればルートなんてどうにかなるだろうと楽観的に日本を出国した。
行きたい3か所は行けたし、想像以上に多くの国へ行けたので自分でもびっくりしている。その詳細を見ていこう。
1年間の世界一周で64か国を周りました
帰国してフタを開けて見るとびっくり、なんと世界の64か国を周っていた。世界の国数は193か国なので、64/193で世界の33%をこの1年間で周ったことになる。世界一周をする前に周った国を合わせると、76か国行ったことがあるので、76/193で世界の39%は自分の足で訪れたことがあるのだ。
この割合が高いと思うか低いと思うかは人それぞれだが、自分は低いと思う。昔は全か国に行ってみたいと思っていたが、思っていた以上に世界は広く、行きたいと思っても行けない国は意外と結構あるのだ。
その中でも先進国は大分訪れた。この1年間で7か月間も欧州にいたので、自分がいかに先進国に時間をかけたのかが分かるだろう。
下記に世界一周で訪れた国と、世界一周前に訪れた国を列挙してみた。見返しただけで、その国の様子や思い出が鮮明に思い出せる。やはり自分のやりたいことをしていると、記憶は強く定着する傾向にあるようだ。
また、Google Mapにて世界一周の経路を描いているので参考に掲載した。移動手段は、徒歩、バス、電車、飛行機、フェリーなどなど多岐に及ぶ。
・世界一周で訪れた国
フィリピン、タイ、ネパール、ネパール、アラブ首長国連邦、ヨルダン、イスラエル、パレスチナ、エジプト、カタール、イラン、アルメニア、ジョージア、トルコ、ブルガリア、ルーマニア、セルビア、コソボ、マケドニア、ギリシャ、アルバニア、モンテネグロ、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、スロベニア、ハンガリー、スロバキア、オーストリア、チェコ、ドイツ、モロッコ、スペイン、ポルトガル、フィンランド、スウェーデン、エストニア、ラトビア、リトアニア、ベラルーシ、ウクライナ、モルドバ、ポーランド、ノルウェー、デンマーク、アイルランド、イギリス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグ、フランス、ペルー、ボリビア、チリ、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル、パナマ、コスタリカ、ニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドル、グアテマラ、メキシコ、カナダ
・世界一周前に訪れた国(世界一周で訪れた国は抜きました)
日本、アメリカ、シンガポール、韓国、中国、台湾、ベトナム、オーストラリア、ラオス、カンボジア、マレーシア
世界一周ルート!
世界一周64か国で印象に残った3つの国
宗教の聖地イスラエルのエルサレム
先ほど世界一周前にこれだけは絶対に行こうと思っていた国で、イギリス、イスラエル、ポーランドを上げたが、やはりこの3か国の思い入れは強い。その中でもイスラエルのエルサレムは断トツで興味深い都市だった。
イエスキリストが生まれて磔にされた場所、ユダヤ教の嘆きの壁がある場所、イスラム教のムハンマドが昇天した場所というように、キリスト教・ユダヤ教・イスラム教の3つの聖地が重なった場所なのだ。世界史が好きな人であれば、人生で一度は訪れたい場所であろう。
64か国の中で最も人にお勧めしたい場所なのは間違いない。しかし、最近の情勢不安を見るとさすがに今はお勧めできない。世界史や宗教学を学んだ後に、時期を見て一度は行ってみて欲しい。
エルサレムに行けば、信仰心がなぜ紛争に発展するのかを肌で実感できるだろう。自分はかなり唯物的なものの考えをする方だが、エルサレムで感じた信仰心には感動させられた。世界中の信者がエルサレムに訪れて、涙を流しながら祈る様子は日本では絶対に味わえない。
キリスト教・イスラム教・ユダヤ教の教徒35億人の聖地エルサレムとは
エルサレム&パレスチナ自治区でイエス・キリストの人生を歩んでみた
幸福度と快適さを求めたフィンランド
私は高校生の時からフィンランドに興味を持っていて、フィンランド語を勉強したり、北欧の文化などを調べていた過去がある。北欧の幸福度と快適さを求める文化は前々から知ってはいたが、実際にその生活に入り込んで見ると、その工夫の仕方に感動した。
フィンランドでは5軒の現地の家に泊まり歩いた。彼らはフレキシブル制と呼ばれる働き方が徹底されていて、自分の好きな時間に1日8時間会社へ行けばよい。仕事よりもプライベートに重点を置いていて、家でどれだけ快適に暮らせるかを各家庭とも徹底して磨き上げていた。
子供が生まれれば、国からマタニティーキットと呼ばれる子育てキットが自宅に届き、インフラは子育てをする母親に考慮された仕組みが出来上がっていた。教育制度も知識を植え付けるというものではなくて、子供に考えさせるような教育を行っている。
北欧やフィンランド特有の自然や動物は美しく、家に帰るのが嫌になる程、快適に街中を散歩できた。人口密度がそこまで濃くないので、街は綺麗で街中には時々ウサギやリスなども出現していた。
北の方へ行けば、サンタクロース村やオーロラだって見ることができる。なんとメルヘンな国だろう、高校生の時に想像していたフィンランドを超えるメルヘンさがそこにはあった。
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世界一の国際国家イギリス
自分の生まれた母国というのを抜きにしても、イギリスは心地よく旅行ができた。イギリスの正式名称「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」にあるように、イギリスはイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの連合国で構成されている。
4つの連合国を全て周り、田舎や現地の家に泊まってイギリスを肌で感じてきた。一つの国といえど地方によって違う文化を持っているので、国の集合体のEUの様な雰囲気を感じた。
ロンドンに行けば全てのものが揃っているし、田舎に行けばどこにだって羊がその辺を歩いている。過去に行われたエンクロージャのおかげで、どんな田舎に行っても羊たちは牧歌的にメーメー鳴いていて、見ていて居心地が良かった。
世界の金融都市に相応しいシティーでは、ロスチャイルドの建物を筆頭に、新宿にはないような尊厳的で重厚な建物がそびえ立っている。隣のウェストミンスターへ行けばそこは観光都市。
ロンドンといえども、そこに住む人たちの生活と観光者が共存して暮らしているので、住みやすい街と言えるだろう。
予算200万円で1年間やり抜きました
予算に間しては友人に伝えると驚かれることが多い。200万円の予算のうち、事前準備に20万円程使っているので、この1年間で使ったお金は実質180万円なのだ。180万円を413日で割って見ると、1日4,358円の計算になる。
この中には、飛行機代やスキューバダイビングのライセンス代、予防注射やセスナ機搭乗代などこの1年で使った全てのお金が含まれている。世界一周という響きが、お金持ちにしかできないような大事のように思いがちだが、案外180万円あれば世界一周はできてしまうのだ。
新卒の平均初任給が20万円で、手取りが18万円だとしても10か月あれば180万円になる。私は社会人時代に定期預金を組んで、月8万円貯金をしてコツコツと貯めていった。また、クラウドファンディングやサイトアフィリエイトなどを駆使して、世界一周中でも稼げるような環境を作り上げた。
「世界一周が夢」と言う人は意外と多いと思うが、誰でも180万円あればできるということを覚えておいて欲しい。LCCやAirbnbなどのネットサービスが発達している現代であれば、昔よりも大分簡単に世界一周ができてしまうのだ。
少しでも安く海外旅行や世界一周をしてみたいという人は、下記の記事を参考にしてみて欲しい。こういったものを駆使すれば案外安く海外へ行けるのだ。分からなければ連絡ください、全力でサポートしますよ。
海外旅行・バックパッカーの準備に必要なことまとめ!
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世界一周後に気づいた3つのこと
世界一周前の「世界一周前の自分から世界一周後の自分へ伝えたいこと」にて私は下記の想いを書いている。果たしてこの3つの軸は変わってしまったのか、もしくは+αの考えが自分に定着しているのか、世界一周前の自分と変わった3つのことを書いてみる。
東南アジアで学んだ、世界は思っていたよりも広いということ。インドで決意したこれから先の人生はリアリストとして生きていくこと。共通して学んだ人生において原体験こそが一番の価値だということ。
もしかしたら、3つの考え+αが世界一周中に身に付いているかも知れない。今後の人生に良い切っ掛けになるような原体験をして、+αが身につけば世界一周は大成功だったと言えるだろう。
その時、忘れてはいけないのが、考え方が変わっても自分ができる範囲は何も変わってないということ。
世界のどこへ行っても自分は自分であり続ける
この世界一周では本当に多くの友人が世界中にできた。外人、日本人問わずよく「ひーやんって旅人やバックパッカーっぽくないよね」と言われた。一人ではなく複数人に指摘されたので、これは間違いない事実なんだろう。「日本の普通にどこにでもいそうな人だね」と言われたこともある。
旅人やバックパッカーというと、夢やロマンに溢れて未開の土地へ果敢に飛び込むイメージがあると思う。ましてや海外という土地なので、普段の自分ではない活力に溢れる人もいるだろう。
自分はというと、世界のどこにいても普段通りの自分だし、日本と同じように色々なものを観て経験と知識を吸収していくという行動指針は変わらない。変に海外だからといって活力に溢れることもなく、どこにいても日本と同じような振る舞いをしている。
海外で会った彼らが、日常生活ではどういうマインドで暮らしているのかは知る由も無いが、自分は日常の延長線という心持ちで世界一周をしていた。これを他の人から見ると、旅人やバックパッカーっぽくない、と思われるのだ。
これはある意味一つの自信がついた。どこにいても自分は自分だし、変わらない何かが自分に潜んでいるということだ。世界一周をしたからといって、すぐに価値観が変わるようなマインドで25年間暮らしてきたわけではないし、自分に根付いた考え方は人よりも強いと感じた。
それに世界は広いけど、だいたい世界のどこへ行っても同じような風景が広がっている。四肢がある人間が歩き、街の中心からは電車やバスなどのインフラが伸びる。田舎に行けばビジネス風の人は減り、人間味が濃くなる。案外、世界のどこに行っても日本と変わらない光景があったりするのだ。
無駄と思える時間こそ価値があるのかもしれない
ベンジャミン・フランクリンの「時は金なり」という言葉にもあるが、時間は有限なので大事に使いたいと今まで思ってきた。世界一周の前半は、新しい国へ行く前にその国に関連する記事を100記事以上は読んで事前知識を入れていたし、博物館に行っては色々なものをメモして調べていた。
移動時間は、事前に用意した歴史の動画を見ていたし、暇な時間を作っては本ブログの記事を量産していた。しかし、ある時にふと力が抜けて、そんなに頑張らなくてもいいんだと思えるようになった。
そのきっかけの出来事は分からない。世界一周中にあらゆるものが蓄積されて、自分に変化を齎したのだろう。プラグマチックな考え方から、人間味を求めるような、ゆったりとした性格に少しずつ変化していった。
世界一周をしていると世界中の生活の仕方や、その国民独特のマインドが見えてきて、自分と比較するとどこか心に余裕があるように見えたのかもしれない。自分を見たパナマ人に「Take it easy(もっと楽にいこうよ)」と言われたのも印象的だった。
自分のやりたいことだけをやるのが人生じゃない
世界一周は子供の頃からの夢だったので、長期に渡って世界一周の構想を練っていた。誰よりもしっかり準備したいと思ったし、海外では安全をできるだけお金で買っていたので、何もトラブルに遭うことなく帰国することができた。
自分のやりたいことだけをしていると、周りの人たちに置いていかれるということを学んだ。何かに没頭している時は視野が狭くなっているので、周りの人たちへの配慮が出来なくなる。なので、関係が疎遠化して関係が壊れるということが何度かあった。
自分に共感してくれる人だけと仲良くすればいいという意見もある、しかし自分は自分と合わない人とだって仲良くしたいし、一度接点を持てば自分の中では友達という感覚がある。
何を理想を言ってるんだと思われるかもしれないが、これまでの過去の友人との関係が崩れるのなら、自分は自分のやりたいことを投げ捨てる覚悟も必要だと感じた。
「旅のラゴス」という好きな本の中に、下記の大好きだった言葉がある。しかし、今の自分はそれだけが人生ではないと胸を張って言えるのだ。
人間はただその一生のうち、自分に最も適していて最もやりたいと思うことに可能な限りの時間を充てさえすればいい筈だ。
世界一周後の心境と感謝の言葉
自分の想っていることを言葉にすると、何かが霧散する気持ちになる。この1年間は本当に色々な経験と知識を習得できた。この経験と知識が今後の人生にどう役立っていくのかは、今では判断できない。
しかし、無駄に思える時間こそ価値があると思えるようになったから、今では夢を達成した充足感で胸がいっぱいだ。それにしても、夢の中にいる状態は本当に記憶の定着が素晴らしい。
毎日日記を書いていたが、どの日の日記を見返しても、その日の1日を脳内で鮮明に再生することができる。こんな状態を今まで経験したことがなかったので、これもまた新たな発見だろう。
まだ、帰国して数日ではあるが徐々に日本に染まりつつある。人口密度の高い東京では、周りが何かをしている中でゆったりとした時間を過ごすのは、焦燥感を感じるものだ。出発する前の記事で下記を書いている。まさにその通りだと首肯できる。
夢を達成した今の段階では今後の人生を全く予想できないし、色々な経験と知識が入ってきて頭がパンクしそうで、落ち着いて今後の展望を考えることができないのが正直な状況だ。
Kindle書籍執筆、LINEスタンプ作成、本腰入れたサイト構築、日本一周、転職活動などなど色々やりたいことはあるけれど、何故かやりたいことに一歩踏み出す気持ちになれず、ひとまず落ち着いている。
海外旅行や世界一周をコンテンツにしたお仕事があれば連絡くだちゃい。シビちゃんと一緒に頑張ります。
帰国後はこの先の人生を見据えて、何かをしなくてはいけないという脅迫観念にかられているのだろうか。日本で現実とぶつかり、焦燥を感じながら忙しなく動いているのかもしれない。
On The Road – SPIKE
この1年間で積み重ねてきた「On The Road」の記事は自分の財産になっているので、今後もまだ書ききれていない世界各国の記事を継続して書いていきます。1年も記事を配信していれば少しは有名になってくるもので、サイト経由で色々な人と会ったり、お仕事を頂いたりもしていました。
世界一周へ一緒に行ってくれたシビちゃん(ペンギンのぬいぐるみ)も元気に日本で生活してます。国内にいてもシビちゃんはいつも持ち歩く予定です。
みなさん、今まで世界一周を応援してくれて本当にありがとうございました。家族、親族、元彼女、友人、クラウドファンディングの支援者、On The Roadの読者、Twitterのフォロワーなどなど、みなさんがいたからこそ世界のどこにいても日本にいるような快適さを味わえました。
これにて僕の夢は終わりですが、次の夢を見つけてこれからも走り続けます。これからも、On The Road&ひーやん&しびちゃんを宜しくお願いします。
次は宇宙を目指すなり∠( ˙-˙ )/
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