【向日葵の咲かない夏 – 道尾秀介】市橋容疑者も持っていた小説
死体が消えて、その死体の人物が人間ではないものになっていた!
とのキーワードから購入。
物語の土台となるのは輪廻転生。死んだ者が他の生物となって生き返り主人公を惑わせていく。超自然的な要素がかなり入り交じっているので、一般的なミステリー小説が好きな人には抵抗があるかもしれない。叙述トリックも幻想のまま収斂してしまう。
ちなみに下記の本は市橋容疑者が書いた自伝。逮捕された本人が心情を赤裸々に告白してます。
何かが欠如している登場人物
主人公は家庭環境の崩壊から極度のストレスがのしかかりパラノイアに。その他の登場人物には現実逃避から齎される連続動物殺人者、少年性愛好者、、などなどバラエティに富んだ異常者が登場する。ほぼ全ての登場人物が異常者なので不自然さを感じながらも読み進めていかなければならない。
読み進めているうちに、各登場人物の背景が顕現してくる。この手の作品慣れていない人が手をだすと、どんよりとした読了感が残り気持ち悪くなること間違いなし。タイトルの向日葵というキーワードから想像できない程に救い様のない作品だ。
叙述トリックではなく登場人物の心情重視
叙述トリックやミスリードはそこまで強くないので、過去にこの手の作品を読んだ事がある人にとっては既読感満載だろう。だからこそ作者はトリックではなく、登場人物の内面に重点を置いているのかもしれない。
幼少期の家庭環境の崩壊や周りで起きる心的外傷は、変えられない事実だからこそ読者は救い様のない気持ちになる。哀れに思うという感情すら許されないままストーリーが展開していく。
最近、家庭環境の崩壊などから起きるサイコパスによる殺人事件が多発している。そういった殺人者をこれからどうすれば更生することができるのか、サイコパスに育てた周りに責任はないのか、、と色々考えさせられる作品である。
和歌山毒物カレー事件で話題になった社会派ホラー【黒い家 – 貴志祐介】

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