サグラダファミリアは2026年完成予定!完成前の姿に歴史が見える!
アントニ・ガウディが設計した2026年完成予定のサグラダファミリア。着工した1882年3月19日から100年以上経っているが未だに完成していない。1926年6月10日にアントニ・ガウディは死去したので、死去後100年でサグラダファミリアを完成させようという目算だ。
100年以上もかかる工事なんて、どれだけ複雑多岐で難解な設計を描いたのか、それを見るまで想像ができなかった。しかし、実際に工事中のサグラダファミリアを見てみると、この工事に100年以上かかる理由に納得できた。
長さ170mを誇る聖堂の内外問わず全ての側面に、アントニ・ガウディが考えた装飾が施されていて、工事中にも関わらずそれを見る者を圧巻させていた。工事中だからこそアントニ・ガウディの想いが、現在まで踏襲されて引き継がれている実感がわく。
私は、ああいった複雑な建築物を見ると、どうにかして頭で処理して理解しようとするから観光しながら疲弊した。それほどもまでに、見る者を圧巻させるサクラダファミリア。時間とお金に余裕があればぜひ一度は行って欲しい。
今もまさに工事がされているサグラダファミリアが設計された背景、サグラダファミリアにかけたアントニ・ガウディの想いを写真を交えて紹介していく。
アントニ・ガウディの生涯と人物像!
バルセロナの南西にあるレウスという商業都市で、銅細工師の家に生まれたアントニ・ガウディ。持病のリマウチを抱え、病気と闘いながら育った。勉強嫌いなアントニ・ガウディはどの教科も評価が悪かった。しかし工作に関しては、他の教科に比べて評価がずば抜けて高かった。
その後、建築家になるべくバルセロナに移り住む。1873年から1877年の間、バルセロナの建築学校に通った。貧しかったアントニ・ガウディは、学業と並行してアルバイトを始める。バルセロナの公園や修道院の装飾を設計していた。
無事に建築士の資格を取得したアントニ・ガウディは、建築学校の校長にこう言われたという。この校長の発言の結果は明白だろう。
彼が狂人なのか天才なのかはわからない、時が明らかにするだろう
サグラダファミリアが設計された背景!
建築学校を卒業したアントニ・ガウディは様々な仕事を手がける。その一つに、パリ万国博覧会に出展する手袋店のショーケースをデザインするという仕事があった。この仕事がアントニ・ガウディの将来を左右する。
この作品を見た繊維会社を経営する大富豪のエウセビオ・グエルは、アントニ・ガウディに惚れ込み、次から次へ仕事を依頼するようになる。グエル公園、グエル邸、コロニア・グエル教会地下聖堂など。
この時、アントニ・ガウディは26歳。当時、エウセビオ・グエルに依頼されて建築した作品は、バルセロナに今も残っていてるので、サグラダファミリアと合わせて見て欲しい。
そしてついに、エウセビオ・グエルからサグラダファミリア(聖家族贖罪教会)の設計依頼が来たのだ。サグラダファミリアは元々、フランシスコ・デル・ビリャールという人が設計を担当していたが、意見の相違から辞任し、アントニ・ガウディが選ばれたのだ。
途中まで建築されていたサグラダファミリアを生かしつつ、サグラダファミリアの完成系へと設計していったのだ。
サグラダファミリアは日本語で聖家族贖罪教会という意味。現世の罪をつぐなう為に、イエス・キリストと聖母マリア、そして養父ヨセフの聖家族に祈りを捧げるという意味で作られている建築物なのだ。
1926年6月7日、アントニ・ガウディはミサに向かう途中に路面電車に轢かれて死去した。風貌に気を使わなかったアントニ・ガウディは、浮浪者と間違われて事故の3日後になって初めて、身元がアントニ・ガウディだと判明されたのだ。
サグラダファミリアの完成を見ることなく死去したアントニ・ガウディの遺体は、サグラダファミリアに埋葬されている。
まだ完成していないサグラダファミリア!
それでは今もなお工事がされているサグラダファミリアの構造と実際の写真を見ていこう。
サグラダファミリアの構造についてざっくり説明!
サグラダファミリアは18本の塔から成り立つ。12本が12使徒、 4本が福音書のマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ、1本がイエス・キリスト、1本が聖母マリアを表している。
サグラダファミリアは3つの外観がらできている。建築を正面から見た外観を建築用語でファザードと呼んでいる。
- 誕生のファサード:イエス・キリストが誕生から説教を行うまでの生活を表現。太陽が昇る東側に位置する。
- 受難のファサード:イエス・リストが十字架を背負いはりつけにされるまでに歩いた苦難の道(ヴィア・ドロローサ)を表現。太陽が沈む西側に位置する。
- 栄光のファサード:イエス・リストが生と死を超越した世界を表現。太陽が輝く南側に位置する。
そして真ん中には聖家族贖罪教会だ。
見て分かるようにサグラダファミリアはイエス・キリストの人生そのものを表現しているのだ。私は以前にイエス・キリストが生まれたベツレヘム、十字架を背負ってはりつけにされるまでの苦難の道(ヴィア・ドロローサ)、はりつけにされたゴルゴタの丘に行ってきた。
サグラダファミリアを鑑賞するにあたって一番大切なこと、それはイエス・キリストの生涯を勉強することである。私は運良くベツレヘムとエルサレムに行っていたので、サクラダファミリアを見て本当に感動した。
エルサレムで歩いた苦難の道(ヴィア・ドロローサ)が、そのままサクラダファミリアで表現されていたからだ。サグラダファミリアにこれから行く人は、下記の記事を絶対に読んで欲しい。お金をかけてサグラダファミリアに行くのだから、より理解を深めて欲しいと思う。
エルサレム&パレスチナ自治区でイエス・キリストの人生を歩んでみた
また、私はサグラダファミリアを本気で理解したかったので、下記の本を読みながら歩いた。見に行くなら詳しい解説を読みながら観光して欲しい。その方が、アントニ・ガウディが目指すサグラダファミリアが心に響く。
サグラダファミリア以外のアントニ・ガウディの作品についても紹介されているので、バルセロナを観光するなら持っていこう。
アントニ・ガウディはアールヌーヴォーのと呼ばれる近代芸術世代の巨匠だ。アールヌーヴォーは、今までになかった芸術要素を取り入れた世代で、特にアントニ・ガウディは曲線にこだわった。サグラダファミリアは直線を一切排除して、全ての側面に曲線を取り入れている。
アールヌーヴォー世代の芸術家の作品は本当に面白い。アールヌーヴォーを切り開いた、アルフォンス・ミュシャは日本でも有名なので見たことがある人もいるだろう。
チェコの首都プラハに行ったらスメタナ・ミュシャ・カフカを満喫しよう!
完成前ののサグラダファミリアを見ていこう!
さて、長々とサグラダファミリアの背景や構造を説明してきたが、次は実際の写真を見ていこう。2026年完成予定だが、日々着々と完成系に近づいている。
2026年に完成したらサグラダファミリアをもう一度観に行こう!
2026年に完成予定のサグラダファミリア。先日、サグラダファミリアの完成予想図が映像と共に公開された。工事中の今でさえ壮大で圧巻なのに、これから先は塔が増築され、サグラダファミリア内部の装飾も補強されていく予定だ。
工事中のサグラダファミリアと完成したサグラダファミリアを見比べてみてもいい。今は亡きアントニ・ガウディの夢が、100年越しに達成するという事実に浸ってもよし。
サグラダファミリアのペーパークラフトを作って全体像を把握してから行ってもよし。ちなみに、私は帰国したら自分版サグラダファミリアを完成させる予定だ。
人生に一度は行って欲しい場所「サグラダファミリア」は、声を大にしてお勧めできる場所だ。本記事を読んで、サグラダファミリアを深く理解し、より多くのものをサグラダファミリアから感じ取れるようになれば、私は本当に嬉しい。
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